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死亡保険金は遺産分割の対象か

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年3月27日

1 生命保険は原則として遺産分割の対象にはなりません

ご家族が亡くなったときに、相続人が受け取る財産には、大きく分けて遺産と死亡保険金の2つがあります。

遺産については、遺産分割協議を行い、相続人同士で誰がどの遺産をどの割合で取得するのかを決める話合いをすることになります。

それに対して、死亡保険金は亡くなった方の財産ではなく、受取人に指定されている方の財産と考えられているため、遺産分割の対象にはなりません。

そのため、死亡保険金については相続人同士で分け方に関する話合いをする必要はなく、受取人に指定された方がすべて受け取ることとなり、受け取りの手続きをすることになります。

2 特定の相続人だけが受け取っても遺産の分け方に影響しません

例えば、相続人が長男と二男で、遺産が預金3000万円だったとします。

仮に法定相続分どおりに遺産を分けた場合、長男と二男は、預金を1500万円ずつ取得することになります。

では、被相続人が生前に長男を受取人に指定した生命保険を契約しており、長男が400万円の死亡保険金を受け取った場合はどうなるのでしょうか。

仮に死亡保険金を遺産であるとすると、預金の3000万円と合わせて、3400万円が遺産ということになり、これを法定相続分どおり半分ずつ分けた場合、長男と二男は1700万円ずつ、遺産を取得することになります。

しかし、先ほどご説明したとおり、死亡保険金は遺産とは考えられていないため、実際には、長男が預金の半分と死亡保険金を合わせた1900万円を取得し、二男は預金の半分にあたる1500万円を取得することになります。

このように、長男が死亡保険金の受取人に指定されている場合も指定されていない場合も、二男が取得する金額は1500万円と変わりません。

3 死亡保険金が高額な場合は注意が必要です

それでは、上記の例で、死亡保険金が5000万円あった場合はどうなるのでしょうか。

死亡保険金が遺産ではないと考えると、長男と二男は預金を1500万円ずつ取得し、さらに長男だけが5000万円の死亡保険金を取得することになります。

しかし、このように保険金の額が極端に大きいケースにおいても死亡保険金を遺産ではないと考えると、相続人の間であまりにも不平等な結果となってしまいます。

そのため、死亡保険金の金額の大きさによっては、死亡保険金も遺産の一部として扱われるケースがあります。

特定の相続人にのみ、死亡保険金を受け取らせたいとお考えの場合は、こうしたケースがあることに注意しておく必要があります。

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