相続放棄の流れに関するQ&A
相続放棄をする前に行うべきことはありますか?
まずは遺産の調査を行うことが大切です。
相続放棄をするかどうかは、どのような遺産があるかが重要なポイントになるためです。
仮に、亡くなった方に借金があったとしても、預貯金などプラスの遺産の方がずっと多い場合は、相続放棄をする必要がないこともあります。
一方で、借金がなかったとしても、田舎の山林や畑など、不要な遺産の方が多い場合には相続放棄をした方がよいケースもあります。
このように、相続放棄をするべきかどうかは、遺産の内容や額によって大きく異なるため、相続放棄をする前にきちんと遺産を確認しておくことが重要となります。
一度相続放棄を行うと基本的に取り消すことはできませんので、慎重に検討する必要があります。
相続放棄をするかどうか他の相続人と相談した方がよいですか?
例えば、亡くなった父親が借金をしており、長男だけが相続放棄をして、二男にそのことを秘密にしていた場合、後になって二男にだけ借金の請求が届くといった事態が起こり得ます。
相続放棄には期限があるため、二男に借金の請求が届いた時には、すでに二男は相続放棄ができなくなっている可能性があります。
このような場合には相続人の間でトラブルが起きることが予想されるため、相続人が複数いる場合は、相続放棄を行うのかについて、事前に相談しておくことをおすすめします。
とはいえ、必ず他の相続人に伝えなければならないというわけではありません。
相続人間同士で交流がない場合や、連絡を取りたくない場合は、特に相談することなく相続放棄をしても問題ありません。
相続放棄をすると決断した後はどのように手続きを進めるのですか?
手続き終了までの流れとしては、以下のようになります。
なお、相続放棄には期限が設けられていますので、その期限内に裁判所へ申述書を提出する必要があります。
⑴ 戸籍を収集する
相続放棄を行う際は、ご家族が亡くなったことと、自身が相続人であることを、裁判所に証明する必要があります。
そのためには戸籍謄本が必要となりますので、まずは戸籍謄本を集めます。
⑵ 相続放棄申述受理申立書を作成する
裁判所に相続放棄の意思を伝えるために、相続放棄申述受理申立書を作成します。
この申立書には、亡くなった方の本籍、住所、生年月日などの情報に加え、遺産の内容、相続放棄をする理由などを記載します。
⑶ 裁判所に書類を提出する
相続放棄申述受理申立書と、戸籍謄本などの必要書類を揃えて裁判所に提出します。
⑷ 裁判所からの質問に回答する
書類の提出後、裁判所から、相続放棄に関する質問がなされることがあります。
その質問に回答し、相続放棄が適法になされたことを裁判所に示す必要があります。
⑸ 相続放棄申述受理通知の受け取り
相続放棄が認められれば、裁判所から相続放棄申述受理通知が届きます。
この通知を受け取れば、相続放棄の手続きは終了です。
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