エンディングノートのメリット・デメリット
1 エンディングノートで失敗しないために
エンディングノートは、家族へのメッセージとして、とても有用なものです。
しかし、エンディングノートについて、誤解していることがあると、結果的に混乱を招いてしまう可能性があります。
まず、最初に認識すべき点は、エンディングノートと遺言書は異なるということです。
遺言書の書き方は、法律で厳格に定められているため、その形式を守っていない場合は、遺言書として認められません。
そのため、エンディングノートを書いたからといって、遺言書を作成したことになるとは限らない点に注意が必要です。
2 エンディングノートのメリット
エンディングノートには、延命治療をするかどうか、どんなお葬式をしたいか、お墓についてどうするか、介護についてどうするかといったことを記載します。
例えば、延命治療をどうするかといった判断は、本人が答えられる状態にないと、ご家族が決断しなければならない場合があります。
こういった決断は、どちらを選んだとしても、ご家族にとっては大きな心理的負担が生じます。
そういったときに、エンディングノートがあれば、ご家族に希望を伝えることができます。
「本人の希望」という大きな指針があれば、ご家族の決断に対する負担は大きく軽減されるでしょう。
3 エンディングノートのデメリット
エンディングノートのようなデリケートな書類は、ご家族に見せることなく、タンスの奥や、仏壇の引き出しなどにしまっているケースが珍しくありません。
しかし、エンディングノートは、ご家族に見てもらって初めて意思を伝えることができます。
そのため、エンディングノートを作成しても、その存在をご家族に秘密にしておくことは、あまり得策ではありません。
せっかくエンディングノートを書いておいても、ご家族がそれに気づかず、結局自分の希望に沿わない結果となってしまっては意味がありません。
となると、ご家族に対して、エンディングノートの内容を事前に知らせておくか、少なくともエンディングノートが存在することやその場所は伝えておく必要があります。
つまり、エンディングノートは、ご家族にこっそり作成・保管するには適さない方法といえます。